鶴岡商工会議所が支える地域活性化――地元発ベンチャーとの連携で描く新たな可能性

商工会議所が果たす役割について教えてください。

商工会議所の使命は大きく3つに集約されます。

第一に、会員である中小零細企業様を支援することです。経営安定化のための資金調達支援、補助金の活用、制度の紹介など、経営を安定させるための具体的なサポートを行っています。

第二に、地域全体の活性化を図ることです。地域経済が元気でなければ、企業単体での発展も難しいですから、地域全体の経済活性化を目指す事業を推進しています。

第三に、行政や政府との橋渡し役です。会員企業様の声を反映した政策提言や要望活動を行っています。単独の商工会議所だけでなく、県内や東北地域、さらには全国の商工会議所と連携して、より大きな力を生む活動をしています。

中小企業や地域事業者が直面する課題について、最近の最近の中小企業の経営課題として、特に顕著なものは何でしょうか？

今、一番深刻なのは人手不足ですね。建設業などでは職人さんが確保できず、仕事を受けられないという事態も起こっています。これは若者の流出と高齢化のダブルパンチの影響です。若者は首都圏や関西へ就職し、高齢のベテラン層はリタイアしていく。この流れを止めるのは簡単ではありません。

サリバテック担当：それは深刻ですね。人手不足解消のために、どのような対策が考えられるのでしょうか？

二つの大きな流れがあります。
一つは業務の電子化やシステム化の推進。もう一つは、外国人労働者の受け入れです。外国人の活用をどう進めるかが、今後の重要な課題になっています。

サリバチェッカーを導入した背景や目的について教えてください。

福利厚生の充実は、地域企業が人手不足に対抗するうえで非常に重要です。サリバチェッカーのような健康スクリーニング検査サービスは、企業にとって魅力的な福利厚生の一環として役立つと考えました。特に、中小零細企業が自力で手厚い福利厚生制度を構築するのは難しいため、商工会議所としてこうしたツールを提供することで企業支援を強化しています。

また、地元ベンチャー企業との連携により、地域の活性化にも寄与したいという思いもあります。サリバチェッカーは「地域発」の取り組みとして、地元企業の信頼性を高める一助となっています。

商工会議所の財政を支える「保険事業」の役割とアクサ生命との連携

商工会議所の活動は、地域の企業を支援し、経済の活性化を図ることにあります。しかし、その運営を支える財源についてはあまり知られていません。実は、全国の商工会議所において大きなウェイトを占めるのが保険商品の斡旋です。

会費収入だけでは成り立たない商工会議所の財政

商工会議所は、会員企業からの会費収入で運営されています。しかし、実際にはそれだけでは十分な活動資金を確保することができません。特に地方の商工会議所では、会員数が限られるため、他の収入源の確保が必要となります。その中で、保険事業は安定した収入源として商工会議所の財政を支えています。

アクサ生命様との連携による「健康保障保険」

この保険事業の中心にあるのが、アクサ生命々との提携です。全国の商工会議所では、アクサ生命様が提供する「商工会議所の健康保障保険」への加入手続きを支援し、その手数料収入を得ています。これにより、商工会議所は自らの運営資金を確保すると同時に、会員企業にも大きなメリットを提供することができます。

導入後の反応はいかがですか？

非常に好評です。実際に、「こんなサービスが地元にあるなんて知らなかった」という声もいただいています。商工会議所を通じた案内や広報活動により、地域内外での認知度が高まっています。

また、導入した企業からも「健康管理が従業員のモチベーション向上につながった」という声が寄せられています。

地元ベンチャー企業との協力で生まれる新たな価値

サリバテック担当：地元のベンチャー企業と連携することにはどのような意義がありますか？

我々の使命の一つは地域経済の活性化です。地元企業が成長すれば、それ自体が地域の発展につながります。実際に、3年前にサリバテックさんと出会い、当初は『何だそれ？』という反応もありましたが、商工会議所の取り組みを通じて認知度が向上し、今では『ああ、これね』とすぐに理解してもらえるようになりました。」

御社のような新しい技術やサービスを持った企業が育てば、それが鶴岡市の競争力を高めることにもなります。我々としては、そうした企業を積極的に支援したいという思いがあります。

全国には500以上の商工会議所があります。同じような課題を抱えているところも多いので、我々が先行事例となり、他の商工会議所にも波及していけば、さらに大きな動きになるでしょう。

今後の展望とさらなる連携

サリバテック担当：今後、さらに取り組みを拡大していくにあたって、どのような展望をお持ちですか？

健康診断を促進するだけでなく、従業員の健康意識を高める啓発活動も強化したいですね。また、今後は企業向けだけでなく、一般市民にもサービスを広げられたらと思っています。早期発見が命を救うというストーリーをもっと広めていきたいですね。

具体的なストーリーを伝えることで、関心を持ってもらえるよう工夫していきたいです。サリバテックさんとも引き続き協力しながら、より良い形を模索していきたいですね。

サリバテック担当：ありがとうございます！今後も連携を深めながら、より多くの企業や地域の方々に貢献できるよう尽力していきたいと思います。