株式会社サリバテック

「がんはステージ1で95%治る」──放射線診断の第一人者が語る、だ液検査が切り拓く予防医療の未来

「がんはステージ1で95%治る」──放射線診断の第一人者が語る、だ液検査が切り拓く予防医療の未来

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インタビュー
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放射線診断のパイオニアから遠隔医療ベンチャーの創業者へ。そして今、予防医療の新時代を切り拓く佐藤医師が、サリバテック社のインタビューに応じ、医療の未来とがん検診の重要性について語ってくださいました。

医療への道、そして新しい挑戦への情熱

──まず、医師を志されたきっかけを教えていただけますか?

「東大か医学部か、と父に言われまして。役人になるよりは医者の方がまだいいかなと思って、医者になりました」

そう淡々と語る佐藤医師ですが、その後の歩みは常に時代の最先端を行くものでした。

──医師の道に進まれて、特に熱中されたことはありますか?

「80年代後半から分子生物学的なアプローチが始まって、ワトソン博士のDNAの二重螺旋とか、新しいアプローチが始まったんです。分子生物学と免疫を組み合わせたところに興味を持ちました」

当初は免疫学を志していた佐藤医師ですが、先輩の勧めで放射線科に2年間だけ在籍する予定でした。しかし「はまってしまった」と言います。

──放射線科の魅力的なところはどの部分だったのでしょうか?

「非破壊検査だからです。外科医が腹を開けないと分からないのに、腹を開けなくても分かるんです」

卒業した年にはちょうどCTスキャンが登場し、発明者ハウンスフィールド先生がノーベル賞を受賞するほどのインパクトある技術革新の只中で、佐藤医師は新しいモダリティの可能性に目を輝かせました。

アメリカに学んだ「タイムマシン経営」

──ドクターネットという会社も設立されたとお聞きしました。開業の経緯を教えていただけますか?

「95年の前の年、94年にアメリカに行って、アメリカにあって日本にない放射線科医のインフラって何かなと思ったら、3つあったんですね」

その3つとは:

  1. インディペンデントの画像診断センター
  2. 遠隔画像診断のインフラ
  3. フリーランスやグループプラクティスの仕組み

「この3つをドクターネットで実現するために起業しました。当時、孫正義さんがタイムマシン経営って騒いでたんですよ。アメリカで流行った技術や仕組みは、アジアでも、アフリカでも、ヨーロッパでも、同じように時差を持って流行りますよっていうことですね」

この先見性が、日本の遠隔医療分野における先駆者としての地位を確立しました。

今、なぜ予防医療が重要なのか

──日本における予防医療について、現状とこれからどうなっていくとお考えですか?

インタビューの核心は、これからの予防医療の展望についてでした。佐藤医師の見解は明確です。

「がん検査のニーズは、劇的に増えますね。だから、今のMCED(マルチキャンサー・アーリーディテクション)システムは非常にニーズがあると思います」

──MCEDとはどのようなものでしょうか?

「マルチキャンサー・アーリーディテクションシステムですね。エクソソームを見たり、DNAを見たり、そういう領域です」

そして佐藤医師は重要なポイントを強調されました。

「がんは早期に発見しないといけません。ステージ1で見つかれば95%のがんは治るわけですから。ステージ1で見つけるっていうのが検診の目的だと思います」

サリバチェッカーの優位性

──数ある検査の中で、サリバチェッカーを選んでいただけた理由を教えていただけますか?

「やっぱり検体が採りやすいっていうこと。これから医薬品70,000品目がOTCへ移っていくので、お医者さんいらないわけですよ。そしたら、採血も自分でするっていう手もあるけど、採血なしで自分で検体が採れる。セルフメディケーションの一つに非常にいいんじゃないかと思います」

──確かに血液検査には抵抗がある方も多いですね。

「そうですよね。サリバチェッカーっていうのはメタボローム解析なわけですから、特にそのだ液なので、消化器系のがんの異常を非常に早い段階で捉えている可能性が高いと思います」

──他の検査と結果が違った時にはどう説明すればよいでしょうか?

「がん細胞っていうのは、画像診断で見えたり内視鏡検査で見えるには4〜5ミリの大きさが必要なんです。その前に見つかった場合は、サリバチェッカーで高リスク/画像診断や内視鏡検査で異常なしっていうことはあり得るので、経時的に見ていかないと分かりませんっていう回答をするしかないと思いますけどね」

検査の「組み合わせ」という考え方

──よく「どの検査が一番優れているんですか?」という質問をいただくのですが。

「全部受けていただいた方がいいっていう説明をされているんですよね。その認識はいいんじゃないですか。3つのアプローチで見ていくと。でも相当高額になりますね。PET-CT検査以上の金額になると思います」

佐藤医師は、DNA解析のオートメーション化やコストダウンが進めば、より多くの人がアクセスできるようになるとも期待されているとのこと。

「DNAパネルの値段とかが安くなってくれたり、オートメーション化の加速。たとえばPCRみたいにオートメーションになってくれば、コストダウンになるんだとは思いますけど」

検査頻度について

──医療機関で定期的に受けていただく場合、年に何回ぐらいが推奨でしょうか?

「いや、半年に1回ぐらいじゃないですかね」

──その理由を教えていただけますか?

「インターバルキャンサーを捉えるためには、1年に1回の検査ではダメなんですよね。だから、1年以内にがん化してくるインターバルキャンサーを捉えるためには、最低でももう1回検査を入れないといけないので、半年っていうところじゃないですか」

──価格についてはどうお考えですか?

「年間5〜6万円の価格帯だったらいいんじゃないですか。サリバチェッカーであれば2回受けられるんでしょう。だったら十分だと思います」

認知症検査への展望

──がん以外の領域についてもお考えがあるとお聞きしました。

「認知症に関しては、僕らも認知症365っていう商品を作ってまして、1年に1回MRIのAIスキャンをするっていうプログラムです。毎月オンラインの認知機能検査とか、落語を聞いてもらうとか、ソルフェジオ周波数の音楽を聴いてもらうとか、色々あるんですよ」

内閣府のムーンショット計画の目標2「アーリーウォーニングシグナルを捕まえて、未病のうちに」という方針とも合致しています。

「75歳ぐらいからアルツハイマー病が急激に増えるので、65歳ぐらいからケアしないとだめだと思いますよ」

──サリバチェッカーでも認知症の可能性はありますか?

「認知症はニーズがあると思います。Early warning signalを捕まえてっていうところでは、サリバチェッカーのようなMCEDの仕組みっていうのはありだなと思います」

医療機関へのメッセージ

──医療機関でサリバチェッカーを患者さんに説明する際のポイントを教えていただけますか?

「やっぱりナラティブっていうか、ストーリーが大事だと思うんですよね」

佐藤医師は、患者さんへの説明の仕方について具体的にアドバイスをくださいました。

「どうして予防医療が大事なのかって言ったら、がんは早期に発見しないといけませんよと。でも1年に何回も採血されるの嫌じゃないですか、っていう話じゃないですかね」

つまり:

  • がん早期発見の重要性を伝える
  • 頻回の採血負担を軽減できる
  • ある程度の費用で「網をかけておく」安心感

このストーリーを丁寧に伝えることが、予防医療の普及につながるということです。

──実際にサリバチェッカーを受けていただく方の反応はいかがですか?

「医師(私)からの説明もありますので、ご納得されてもう使用いただいていると思います。抵抗はないと感じています」

これからの医療市場について

──2035年頃までの市況について、どのようにお考えですか?

「予防医療の中でも診断技術が飛躍的に上がるかもしれないし、市場として無視看過できないことが広がってくるかもしれない。もうすでに広がっているので、手を打たない手はないですよ。ソリューションとして」

佐藤医師は、特定のハイリスク層に対するアプローチの重要性を強調されました。

「ハイリスクな人たちをどうやってアーリーディテクションしていくかっていうので、だ液ならっていう話です」

──ターゲットをどこに絞るべきでしょうか?

「ターゲットをどこに絞るかですよね。検査費用を出すところを考える、役所か、それか富裕層か、どっちかですね」

そして具体的な提案もいただきました。

「役所に行って『こんなに健康課題が増えてますから、採用してください』っていうのもありなんです。例えばふるさと納税の返礼品で検診を受けてもらったりしてますから、そういうのに入れてもらうかですね」

結びに──変革の時代を生きる

インタビューを通じて浮かび上がったのは、常に時代の一歩先を見据え、新しい技術と仕組みで医療を変革してきた佐藤医師の姿勢でした。

「効果があれば医者は取り入れます。効果を感じられれば、自費で患者さんはいっぱい来ますから」

本当に価値あるサービスを届ける。その信念は、サリバテック社が目指す予防医療の未来と重なります。

最後に、佐藤医師はこう締めくくられました。

「今はチャンスです。MCEDの領域を、がんがいっぱい増えているわけだから、その恐怖を取り除く方がいい。費用負担のところを考えるべきだと思うし、自治体とか巻き込んで、ハイリスクな人たちをどうやってアーリーディテクションしていくか」

「がんの悲しみをなくす」──この理念を実現するために、だ液検査という新しいツールが果たす役割は大きいと感じました。佐藤医師との対話は、予防医療の可能性と、それを社会に実装していくための実践的な知恵に満ちていました。

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