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尿でわかるがん検査とは?「やばい」「怪しい」と言われる線虫検査の精度を解説

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尿でわかるがん検査とは?「やばい」「怪しい」と言われる線虫検査の精度を解説

多忙な日々の中で、がん検診の時間を取るのが難しいと感じていませんか?がんの早期発見が重要であると理解していても、時間や痛み、検査への不安がハードルとなり、定期的な検査を受けづらいと感じる方は少なくありません。

しかし、近年の科学技術の進化により、自宅で簡単にがんリスクを確認できる検査キットが登場しています。たとえば、尿や唾液を使ってがんリスクを検出できるキットは、痛みがなく、手軽に利用できる新しい選択肢として注目されています。

本記事では、尿を使用したがんリスク検査について詳しく解説します。がん検診が難しいと感じている方も、これらのスクリーニング検査を活用し、必要に応じて医療機関で精密検査を受けるきっかけにしてみてはいかがでしょうか?

尿でわかるがん検査とは 

がんの早期発見は、治療の成功率を高めるために重要であり、さまざまな検査方法が開発・実用化されています。その中でも、尿を使用したがんリスク検査は、手軽で身体への負担が少ないことから注目を集めています。

以下に、代表的な尿検査の手法を4つご紹介し、それぞれの特徴について解説します。

線虫がん検査

線虫がん検査は、線虫という微小な生物が尿の匂いを嗅ぎ分けることで、がんリスクを判定するユニークな手法です。線虫は特定のがんの匂いに強く反応することが確認されており、この特性を利用してがんリスクを評価します。

具体的には、専用キットで採取した尿を検査センターに送付し、線虫の反応を測定することでリスクの高低が判定され、結果が通知されます。

この検査は簡便で非侵襲的であり、自宅でサンプルを採取して送るだけで結果が得られるため、定期的にがんリスクをチェックしたい方にとって便利な選択肢です。ただし、線虫検査はあくまでリスクの有無を示すものであり、がんの発症部位までは特定できません。そのため、医療機関でその他のがん検診と精密検査を併用することが推奨されます。

尿潜血検査

尿潜血検査は、尿中に血液が含まれているかを調べることで、泌尿器系の異常を早期に発見するための検査です。特に、膀胱がんや腎がんなどのがんリスクを評価する際に活用されます。

血尿は泌尿器系の腫瘍のほか、腎臓や尿路の感染症、結石、外傷、炎症などでも発生する可能性があるため、血尿の原因を正確に診断するためには、尿潜血検査の結果に基づいて追加の検査が推奨されます。

尿細胞診

尿細胞診は、尿中の細胞を顕微鏡で観察し、がん細胞の有無を確認する検査です。特に、膀胱がんの診断に有効とされています。尿中に含まれる細胞を詳細に観察することで、がんの兆候を早期に発見することが期待されます。

ただし、尿細胞診は膀胱がんに特化した検査であり、他の種類のがんには適していないため、万能なスクリーニング検査ではありません。

また、尿細胞診でがん細胞が確認されない場合でも、それが必ずしもがんがないことを意味するわけではありません。そのため、状況に応じて他の検査と併用して診断を行うことが推奨されます。

尿中マイクロRNA検査

尿中マイクロRNA検査は、尿中に含まれる「マイクロRNA」という物質を分析し、がんリスクを評価する手法です。マイクロRNAは、細胞の遺伝子発現を調整する役割を持つ分子で、がん細胞特有の発現パターンが見られることから、がんの存在や種類を推定するために利用されます。

名古屋大学と国立がん研究センターをはじめとする共同研究により、尿中マイクロRNAの発現パターンを解析することで、肺がん・膵臓がん・肝臓がん・膀胱がん・前立腺がんといった複数のがんリスクを評価できることが示されています。そのため、特定のがん種に限定されない広範囲なスクリーニングとしての活用が期待されています。

「やばい」「怪しい」と評判される線虫検査の精度は実際どう?

線虫を利用したユニークな手法であることから「やばい」や「怪しい」といった意見が飛び交うこともあります。実際の精度については、線虫ががん患者の尿を嗅ぎ分ける能力があることも報告されてはいますが、科学的なデータがまだ十分に集まっておらず、その信頼性には慎重な評価が必要です。

また、線虫検査はがんの種類や進行具合によって検出精度が変わるとされ、全てのがんに対して一貫した結果が得られるわけではありません。そのため、現段階では補助的な検査方法として利用し、他の検査と組み合わせてリスクを評価するのが望ましいといえます。

尿のがん検査を受けるメリット

尿を使用したがん検査には、多くのメリットがあり、手軽にがんリスクをスクリーニングする手段として注目されています。ここでは主な3つのメリットを紹介し、それぞれについて具体的に解説します。

早期発見に繋がる

尿を使用したがん検査は、がんリスクをスクリーニングするための手段の一つです。異常が検出された場合、がんの可能性があるかを精密検査で確認するきっかけとなり、がんの早期発見に繋がります。

手軽に受けられる尿検査でがんリスクをチェックできることは、がん治療の選択肢を広げ、治癒の可能性を高めるため、大きなメリットです。

検査に痛みを伴わない

尿検査は、血液検査のように針を刺す必要がなく、痛みを感じることがありません。そのため、痛みに敏感な方や検査が苦手な方でも気軽に受けられるのが特徴です。

痛みを伴わないことで検査に対する抵抗感が軽減され、定期的な健康チェックへの心理的なハードルを下がり、継続的に検査を受ける動機付けにも繋がるメリットがあります。

手軽に受けられる

尿検査は、検査キットを使用すれば自宅でサンプルを採取し、郵送するだけで結果を得られる手軽さが魅力です。時間や場所に制限されず、忙しい方でも気軽に利用できるため、健康管理を日常生活に取り入れやすいのが利点です。

たとえば、平日に時間が取れない場合でも、週末に自宅でサンプルを採取して送付でき、仕事や家事で忙しい人にも便利です。

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尿のがん検査を受ける際の懸念点

尿を用いたがん検査には多くのメリットがある一方で、いくつかの課題も存在します。ここではおもに「偽陽性・偽陰性のリスク」と「過剰診断による負担」の2つの問題点について解説します。

偽陽性・偽陰性の可能性がある

尿検査の結果が必ずしも正確であるとは限らず、偽陽性や偽陰性の結果が出ることがあります。
偽陽性と偽陰性の具体的な例は以下のとおりです。

 偽陽性がんがないにもかかわらず検査結果が陽性となり、不必要な精密検査を受けたり、心理的な負担が生じたりする可能性がある。
 偽陰性がんがあるにもかかわらず検査結果が陰性となり、早期発見の機会を逃してしまう可能性や、がんの進行が見逃されるリスクが増える。

がんの偽陽性と偽陰性についての詳細は、以下のページをご参照ください。

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過剰診断となると負担がかかる

「過剰診断」とは、生命を脅かすことのない小さながんや異常を発見することを指します。尿によるがん検診で発見されるがんの中には、がんの種類を特定できないため、進行がんになることなく消失したり、症状が出ることなくそのままの状態で留まったりするものもあります。

しかし、現時点の医療技術では、どのがんが進行するか予測するのは困難です。そのため、発見されたがんは、通常のがんと同様に精密検査や治療が行われることが多く、患者にとって身体的・精神的な負担が増す原因となります。

過剰診断によって、不必要な治療を受けることで身体に負担がかかるだけでなく、精神的な不安も生じる可能性があります。こうしたリスクを十分に理解した上で、検査を活用することが重要です。

まとめ

忙しくて検診の時間が取れない方にとって、手軽にがんリスクを確認できる検査方法は非常に有用です。尿を用いたがん検査は痛みがなく簡便で、がんの早期発見に役立つ可能性があります。ただし、これらはあくまでリスクをスクリーニングするためのもので、がんの確定診断を行うものではありません。そのため、検査結果に不安がある場合や自覚症状がある場合は、速やかに医療機関での精密検査を受けることが推奨されます。

また、がんリスクを簡単に確認できる検査方法は、尿だけではありません。自宅で唾液を用いてがんリスクを評価できる「サリバチェッカー」も、新しい選択肢の一つです。サリバチェッカーは、慶應義塾大学先端生命科学研究所の研究成果を基に開発され、唾液中のがん代謝物を超高感度の分析装置で測定し、AI解析によって複数のがんリスクを評価します。これにより、日常的に健康状態を把握し、必要に応じて医療機関での診断につなげることが可能です。

がんリスクを把握し、早期発見や予防を目指すために、まずはサリバチェッカーのような手軽な検査から始めてみてはいかがでしょうか。

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