「歯周病が全身の病気に関係するって本当?」
「膵臓がんは見つかりにくいと聞くけれど、予防法はあるの?」
そんな疑問を持つ方は多いでしょう。最新の研究で、特定の歯周病菌(P.g.菌)が膵臓がんのリスクを大幅に高めることが分かりました。
この記事では、口内環境と膵臓がんの意外なメカニズムを説明し、なぜ「だ液」を調べることががんのリスク管理において重要なのかを解説します。
目次

膵臓がんの発症には、さまざまなリスク因子が関わっています。膵臓がんのリスクを高める要因は、大きく分けて生活習慣、疾患、遺伝の3つに分類されます。
なぜ膵臓がんになるのか、主なリスク因子について3つの観点からそれぞれ解説します。
膵臓がんのリスクを高める生活習慣として、喫煙、過度な飲酒、肥満が挙げられます。これらは日々の生活の中で改善できる要因です。
喫煙は膵臓がんの重要なリスク因子です。タバコの有害物質が血液を通じて膵臓に到達し、細胞にダメージを与えます。喫煙者は非喫煙者に比べて、膵臓がんの発症リスクが約2倍高いといわれています。過度な飲酒も膵臓に負担をかけます。アルコールは膵臓で代謝される際に有害物質を生成し、炎症を引き起こします。肥満も重要なリスク因子です。肥満の状態では体内で慢性的な炎症が起こりやすく、膵臓がんのリスクを高めます。
既に持っている病気が、膵臓がんのリスクを高めることがあります。代表的なのが糖尿病と慢性膵炎です。
糖尿病患者は膵臓がんの発症リスクが約2倍高いとされています。注目すべきは、糖尿病の新規発症や血糖値の急激な悪化が、膵臓がんの初期サインになることもある点です。50歳以上で突然糖尿病を発症した場合は、膵臓がんの可能性も考慮する必要があります。
慢性膵炎も重要なリスク因子です。膵臓の慢性的な炎症は細胞の遺伝子にダメージを与え続け、がん化のリスクを高めます。
家族に膵臓がん患者がいる場合、発症リスクが高まります。膵臓がんの約5~10%は遺伝的要因が関係しているといわれています。
血縁者に膵臓がん患者が1人いる場合、発症リスクは約2倍になります。2人以上いる場合は、さらにリスクが上昇します。特に若い年齢で膵臓がんを発症した家族がいる場合は、遺伝的要因が強く関与している可能性が高くなります。遺伝的リスクがある方は、定期的な検診や早期発見のための検査を積極的に受けることが推奨されます。

歯周病があると膵臓がんの発症リスクが高まることが明らかになっています。歯周病は、上記の喫煙や肥満と比較すると「自分でコントロール(治療)できる」重要な因子です。
歯周病歴がある人は、ない人に比べて膵臓がんの発症リスクが約50%高いという研究データが報告されています。
ハーバード大学などの研究チームが行った大規模な疫学調査で、歯周病と膵臓がんの関係が明らかになっています。
特に重度の歯周病患者では、リスクがさらに上昇します。歯周病は日本人の約5割が罹患している身近な病気ですが、適切な治療とケアで改善できます。
歯周病になると歯茎に炎症が起こり出血しやすくなります。歯周病で出血した部位から、細菌が血管に侵入する現象を「菌血症」といいます。特定の歯周病菌、特にP.g.菌(Porphyromonas gingivalis)は、血流に乗って全身を巡り、膵臓などの臓器に住み着く性質があります。
膵臓に定着したP.g.菌は毒素を出し、慢性的な炎症を引き起こします。炎症が続くと細胞の遺伝子にダメージが蓄積し、がん化しやすくなる仕組みです。

膵臓がんは「沈黙の臓器」と呼ばれており、早期発見が極めて困難です。膵臓は体の奥深くに位置し、初期段階では自覚症状がほとんどありません。膵臓がんの5年生存率は約10%前後と、他のがんと比較して非常に低い数値です。
膵臓がんの初期には、痛みや不快感といった明確な症状が現れません。症状が出始める頃には、がんがかなり進行していることが多いのです。背中の痛み、体重減少、黄疸、食欲不振といった症状が現れたときには、すでに手術が難しい段階まで進行しているケースも少なくありません。「症状が出てから」では遅いという危機感を持つことが重要です。
膵臓がんは通常の健康診断では発見しにくく、CTやMRIといった精密検査でも初期段階での発見は容易ではありません。だからこそ、リスク因子を減らす予防的なアプローチと、定期的なリスクチェックが極めて重要になります。早期発見のためには、自分のリスクを知り、積極的に検査を受ける姿勢が求められるのです。

膵臓がんのリスクを手軽にチェックできる最新の予防法として、だ液を利用した検査には、「口腔ケアのチェック」と「がんリスク評価」という2種類があり、それぞれ目的が異なります。だ液による検査について、以下の3つの観点から解説します。
それぞれ説明します。
歯周病の主犯格である「P.g.菌」は、単に歯を支える骨を溶かすだけでなく、血管を通って全身へ移動し、膵臓に炎症を起こす性質を持っています。つまり、お口の汚れ具合をチェックすることは、膵臓への健康被害を予測することにも直結します。
「P.g.菌唾液検査」は、口内に生息する P.g.菌の種類や量を数値化できる検査です。これは「口腔ケアのチェック」として、歯科医院で行われる検査です。P.g.菌の量が多い場合は、歯科治療や口腔ケアの強化が必要になります。P.g.菌唾液検査の結果に基づき、自身の口腔環境の状態を把握し、適切な対策を立てられるのです。
だ液検査は、CTやMRIといった大掛かりな検査の前に、まずは「リスクの有無」を手軽に可視化できる方法です。膵臓がんの精密検査には時間もコストもかかり、身体的負担も少なくありません。
「がんリスク評価のだ液検査」は、痛みも不快感もなく、自宅で気軽に採取できるため、継続的なリスクチェックに最適です。だ液検査でリスクが高いと判定された場合に、初めて精密検査を検討するという段階的なアプローチが可能になります。
だ液によるがんリスク検査を検討するなら、「サリバチェッカー」がおすすめです。サリバチェッカーは、「がんリスク評価のだ液検査」として、だ液に含まれる代謝物質を分析し、がんリスクをAI(人工知能)が判定するシステムです。P.g.菌唾液検査とは異なり、がんのリスク評価を目的としています。
サリバチェッカーは、採取したサンプルを郵送するだけで、専門的な分析結果を受け取ることが可能です。リスクが具体的な数値として示されるため、ご自身の現状を客観的に把握できるのが大きなメリットです。
また、定期的にチェックすることで、生活習慣の改善や日々のケアの効果を「目に見える形」で実感でき、健康づくりのモチベーション維持にも役立ちます。

膵臓がんのリスクを下げるために、今日から実践できる具体的な習慣があります。
口腔ケアを中心とした以下の3つの習慣を日常生活に取り入れてみましょう。
それぞれ説明します。
日々のセルフケアの目的は、単に食べカスを取ることではなく、歯周病菌の巣窟である「プラーク(歯垢)」を物理的に破壊することです。歯ブラシだけでなくデンタルフロスや歯間ブラシを併用しましょう。
プラークは細菌の塊で、歯の表面や歯と歯茎の境目に付着します。放置すると歯周病の原因となり、P.g.菌などの悪玉菌の温床になります。歯ブラシは毛先を歯と歯茎の境目に45度の角度で当て、小刻みに動かして丁寧に磨きます。歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れを完全には取り除けません。デンタルフロスや歯間ブラシを併用し、歯と歯の間に潜むプラークを除去することが重要です。1日1回、できれば就寝前にフロスを使用しましょう。
セルフケアで落としきれなかった汚れは、数日で「歯石」へと変化します。歯石は細菌の強固なシェルターとなり、自分では落とせません。歯科医院で専用の器具を使ってバイオフィルムを取り除く必要があります。
歯石はプラークが石灰化したもので、表面がザラザラしているためさらに細菌が付着しやすくなります。歯石は歯ブラシでは取り除けないため、歯科医院で専用の器具を使って除去する必要があります。数ヶ月に一度は歯科医院で定期検診を受け、専門的なクリーニングを受けましょう。プロケアを定期的に受けることで、歯周病菌の量を大幅に減らし、膵臓への細菌の供給を止められます。
どれだけ丁寧に磨いていても、もともと口内にいる菌の種類や体質によってリスクは異なります。「P.g.菌唾液検査」と「がんリスク評価のだ液検査」の両方を組み合わせることで、膵臓がんリスクを多面的に把握できます。
同じように歯磨きをしていても、口内に生息する細菌の種類や量は人によって大きく異なります。
「P.g.菌唾液検査」で口内のP.g.菌の量を調べ、必要に応じて歯科治療や口腔ケアの強化を行います。さらに「がんリスク評価のだ液検査」で現在のがんリスクを評価し、必要に応じてCTやMRIなどの精密検査へと進むことが可能です。
「P.g.菌唾液検査」と「がんリスク評価のだ液検査」の両方を組み合わせることで、口腔ケアとがんリスク評価を多面的に進められます。健診やがん検診と合わせ、これらのスクリーニング検査を定期的に実施し、膵臓がんの早期発見を進めるのが、今後の予防医学の形となっています。
膵臓がんのリスク因子には、喫煙、過度な飲酒、肥満といった生活習慣、糖尿病や慢性膵炎といった疾患、遺伝的要因があります。中でも注目すべきは、歯周病が膵臓がんのリスクを大幅に高めるという事実です。
歯周病菌、特にP.g.菌は歯茎の出血部位から血管に侵入し、血流に乗って膵臓まで到達します。膵臓に定着した菌が慢性的な炎症を引き起こし、がん化のリスクを高めます。膵臓がんは「沈黙の臓器」と呼ばれ早期発見が困難なため、予防的なアプローチが重要です。
だ液を利用した検査には、「口腔ケアのチェックとして」の「P.g.菌唾液検査」と、「がんリスク評価」としての「サリバチェッカーのだ液検査」があります。「P.g.菌唾液検査」で口腔環境を把握し、歯科治療や口腔ケアの強化を進めます。さらに「がんリスク評価のだ液検査」で現在のがんリスクを評価し、必要に応じて精密検査へと進むことが可能です。
膵臓がんの早期発見に向けて、健診やがん検診と合わせ、「P.g.菌唾液検査」や「がんリスク評価のだ液検査」などのスクリーニング検査を多面的に実施し、リスク管理を進めることが重要です。口腔ケアを徹底し、定期的なだ液検査を習慣にしましょう。