「咳が続いているけど肺がんかもしれない」と、このような悩みを抱えてはいませんか。咳や鼻水、痰といった症状は軽く考えてしまいがちですが、治らないと不安になってしまう方も多いでしょう。長引く症状は肺がんをはじめ、他の病気が隠れているかもしれません。
本記事では、咳や痰、鼻水などが原因の病気や肺がんの症状、肺がんを早期に発見するおすすめの方法などについてわかりやすく解説します。肺がんに不安な方や症状が気になる方はぜひ参考にしてください。
目次
咳や鼻水が止まらない、痰がからむ原因として考えられる主な病気は、以下のとおりです。
それぞれ解説します。
咳が止まらない原因としてまず考えられるのは感染症です。感染症とは細菌、ウイルス、真菌、寄生虫などの病原体が体内に侵入し、増殖して体に異常をきたす状態をいいます。
感染症の原因となる病原体の種類や経路はさまざまですが、咳や鼻水、痰の症状が出る主な感染症は以下のとおりです。
特徴 | 主な症状 | |
風邪症候群 | 鼻や喉などの上気道にウイルスが感染して生じる病気。原因はライノウイルスやRSウイルスなど200種類以上もある。 | 鼻水喉の痛み咳痰くしゃみ発熱 |
インフルエンザ | インフルエンザウイルスが原因で生じる感染症。感染して症状があらわれるまでの潜伏期間は1〜3日ほどで種類によって症状が異なる。 | 【A型インフルエンザ】38度以上の高熱咳痰頭痛関節痛筋肉痛などの体の痛み倦怠感【B型インフルエンザ】下痢や腹痛など腹部の不調37〜38度程度の熱全身症状はA型と比べて軽度 |
急性気管支炎 | 風邪などの上気道よりも、気道の深い部分に炎症が生じて起こる急性の病気。インフルエンザウイルス、アデノウイルス、ライノウイルス、肺炎球菌などの感染が原因となりやすい。 | 発熱咳痰喉の痛み関節痛倦怠感 |
肺炎 | 細菌やウイルスなどの病原体が肺に入って炎症を起こす病気。原因となる病原体によって以下に分けられる。細菌性肺炎 肺炎球菌などの細菌が原因ウイルス性肺炎インフルエンザなどのウイルスが原因非定型肺炎マイコプラズマなどの微生物が原因肺真菌症アスペルギルスなどのカビが原因 | 咳発熱倦怠感痰胸の痛み食欲低下 |
咳が止まらない症状は、アレルギー性疾患が原因の場合もあります。「アレルギー」とは特定の物質に対する免疫機序を介した副反応をいい、咳が生じる主なアレルギー性疾患は以下の2つです。
それぞれ解説します。
ダニやホコリなどが原因で年間を通して症状が出る「通年性アレルギー鼻炎」と、スギやヒノキなどの花粉が原因で一定時期だけに生じる「季節性アレルギー性鼻炎」に分けられます。
アレルギー性鼻炎では鼻水やくしゃみが主な症状ですが、鼻水が喉に垂れ込んで咳が止まらないケースも少なくありません。
アレルギーによって気管支に炎症が生じ、発作的に気道が狭くなるのを繰り返す病気です。原因はチリダニやハウスダスト、ペットのフケ、カビなどによるアレルギーが多いですが、原因が特定されない場合も少なくありません。
発作的に咳や痰が出て、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音を伴い息苦しくなる症状が見られ、夜間や早朝に生じやすいのが特徴です。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、たばこの煙を主とする有害物質を長期的に吸入し続けて生じた、肺の炎症性疾患です。従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称で、喫煙習慣のある中高年に発症する「生活習慣病」といえるでしょう。
歩いたり、階段の昇り降りをしたり、動いた際に息切れする労作性呼吸困難や、慢性的に咳や痰が続くのが特徴的な症状です。喘鳴や発作性呼吸困難などの喘息症状を合併する場合も少なくありません。
副鼻腔炎は鼻腔の周囲にある空間に細菌感染やアレルギーによって炎症が生じる病気です。細菌感染によって生じるのを「蓄膿」、アレルギーによるものを「好酸球性副鼻腔炎」といいます。
副鼻腔炎では主に鼻水、鼻詰まり、顔や歯の圧迫感などの症状が見られますが、咳や痰などの呼吸器症状が出る場合も少なくありません。また膿が鼻腔から喉へ流れると痰がからんだ咳、気管支炎に発展する場合もあります。
好酸球性副鼻腔炎は鼻茸(ポリープ)が鼻の中に多発するのが特徴です。主な症状として嗅覚障害、鼻水、鼻詰まり、後鼻漏(鼻汁が喉に流れる)、咳などがあります。
逆流性食道炎は胃酸が食道に逆流してしまう病気です。胸焼けがしたり、酸っぱいものが上がってきたり、慢性的に咳が続いたりしている場合は逆流性食道炎かもしれません。
咳が出る原因としては、以下の2つが考えられています。
いずれも咳の症状が生じるのが特徴です。
肺がんは、気管支や肺胞の細胞が何らかの原因でがん化し、異常な増殖を繰り返す病気です。主な症状としては、咳や痰、血痰、胸の痛み、息苦しさや動悸、発熱などが挙げられます。いずれも他の呼吸器疾患にも共通する症状なので、これらの症状は必ずしも肺がんが原因とは限りません。
原因不明の咳や痰が2週間以上続いている場合は肺がんの可能性もあるので早めに受診をするようにしましょう。
長期間咳が止まらないと、「がんかもしれない」と不安になる方が多いかと思いますが、必ずしもそうとは限りません。前述したように咳が止まらなくなる症状は、呼吸器疾患をはじめ、さまざまな病気が考えられます。
ですが、がんによって咳が止まらなくなる症状が出るのも事実です。がんの種類や進行度合いによっても症状は異なりますが、咳が止まらなくなる原因として最も多いのは「肺がん」とされています。
また、喉頭がんも肺がんと同様に、咳が長期間続いたり、血痰が出たりする症状が出る場合も少なくありません。それ以外にも咽頭がん、胃がん、乳がんが転移したり、大きくなって気管支を圧迫する症状があらわれたりすると咳が止まらなくなる場合もあるでしょう。
肺がんの主な初期症状は以下の3つです。
それぞれ解説します。
肺がんの初期症状で最もみられやすいのは咳と痰です。2週間以上咳や痰が続いたり、痰に血が混じったりする場合は肺がんの可能性があります。気管支の入り口近くのがんが大きくなると、気管支が狭くなり喘鳴や呼吸困難が起こる場合もあるでしょう。
肺がんでは、動いたときの胸痛や動悸を感じる場合があります。痛みの種類は鋭く刺すような痛みから鈍い圧迫感など個人差がありますが、深呼吸や咳をしたときに強く痛む場合は注意が必要です。
発熱も肺がんの主症状です。特に病気をしていないのに発熱が長く続く場合は肺がんの可能性があります。発熱が5日以上続いている場合は早期に病院を受診するようにしましょう。
以下の記事に肺がんの症状について詳しく記載がありますので、参考にしてみてください。
関連記事:肺がんの症状|初期症状と末期症状の特徴、主な原因や発覚のきっかけについて解説
肺がんになる最大の原因は喫煙の影響です。たばこの煙には200種類以上の有害物質や70種類以上の発がん性物質が含まれており、吸い込むことで細胞が傷ついて遺伝子が変化し、がんが発生しやすくなります。
喫煙者だけではなく、副流煙を吸ってしまう受動喫煙でも肺がんのリスクは増加するため、環境によっては非喫煙者でも決して見過ごせません。
また、アルミニウムやヒ素、アスベストなど、有害物質の吸引によっても肺がんのリスクが高まると指摘されています。
遺伝的要因や慢性的な疾患の影響も肺がんになる原因の一つです。遺伝的要因では、肺がんのリスクがあるDNAの修復を助ける遺伝子の変異を受け継いだ場合、肺がんのリスクが高まる可能性があります。
また、慢性的な疾患である慢性閉塞性肺疾患(COPD)や肺線維症の持病がある方は、肺がんになるリスクが高まりやすいでしょう。HIV感染者や臓器移植を受けた方など、免疫が低下している場合も、肺がんのリスクが高くなります。
肺がんは早期では症状が出ない場合もあり、発覚しにくい病気です。症状があったとしても、咳や痰など他の病気と区別がつきにくいため、気がつかない場合も多いでしょう。
肺がんが発覚する主なきっかけとしては以下の2点が挙げられます。
それぞれ解説します。
肺がんを発覚するきっかけになるのは、症状を自覚したときです。前述したように肺がんの症状は他の呼吸器疾患の症状とも共通しているため、区別しにくいですが以下の初期症状があらわれます。
特に2週間以上続く咳や痰、発熱が5日間続く場合は肺がんの可能性もあるため要注意です。また、他にも以下の症状があらわれる場合もあります。
上記の症状は肺がんが進行している可能性があるため、早急の病院受診が必要です。
肺がんは健康診断や人間ドックを受けたときに発覚する場合もあります。自覚症状で発覚する場合と比べて健康診断や人間ドックで発見されるがんは小さく、初期段階のケースが一般的です。
肺がんが発覚しやすい検査は、主に以下の項目になります。
胸部X線検査 | 肺に異常な白い影がみられることで、肺がんの可能性が疑われる |
CT検査 | 肺の詳細な画像を取得できるため、小さいがんや初期のがんも発見できる |
細胞診 | 痰や気管支鏡検査で取得した細胞を顕微鏡で調べて、がん細胞の有無を確認 |
止まらない咳が続く場合に考えられる病気や肺がんの原因、症状などについて解説してきました。咳や痰は他の病気にもよくみられる症状なので、放置してしまう方も多いでしょう。
肺がんは自覚できる症状が出てきた頃にはある程度進行している可能性が高いため、咳や痰が気になる方は早めに病院を受診しましょう。
忙しくて病院で検査を受ける時間がない方は、自宅簡単にできる検査キットの使用がおすすめです。なかでも、だ液だけで検査できる 「サリバチェッカー」は、がんの早期発見をサポートする画期的なツールとして注目を集めています。
サリバチェッカーの特徴は以下の通りです。
サリバチェッカーは、全国の提携先医療機関(病院・医院・歯科クリニックなど)で検査が受けられます。
「肺がんを早期に発見したい」「体に負担なく検査を受けたい」という方はぜひサリバチェッカーをご検討ください。